「中東言語の種」カテゴリーアーカイブ

アラビア語の動物の鳴き声

以前にクライアント様の依頼でアラビア語の動物の鳴き声をどのように表記するかを調べたことがあります。日常行っている翻訳業務とは少し異なる依頼ですが。
日本語では犬は「ワンワン」、猫は「ニャー」、にわとりは「コケコッコー」という表現が一般的でしょうか。
英語でも「woof」とか「meow」とか「cock-a-doodle-do」などをよく見かけます。

調べてみるとアラビア語では正確には一般的に使われる「動物の鳴き声」の表記方法がないらしいのです。何人もの証言を得ているわけではありませんが、おそらくそうなのでしょう。
その代わりと言えるかどうかわかりませんが、アラビア語には「犬が吠える」、「猫が鳴く」、「鶏が鳴く(ご丁寧に雄鶏と雌鶏もそれぞれ違う)」といった動詞が細かくあって、それらから派生して「犬の鳴き声」、「猫の鳴き声」、「鶏の鳴き声」など本当にかなりの動物が網羅されているのではないでしょうか。もちろん鳥もその種類によって違いがあるようです。
アラビア語-日本語の辞書にもこのようなコラム記事が掲載されていました。

アラビア語のページですがその一部を紹介したサイトもあるようです。

ペルシャ語入力の注意点

ペルシャ語の文書やウェブサイトを見ると不思議な文字の繋がりに気付きます。


“Wikipediaさんから元画像を拝借”

上記の画像で赤丸の囲み部分、普通に文字を入力するとスペースがない所は文字がつながるはずが、前後の文字が分離して表示されています。
例えば、上の文から引用すると ویکی‌پدیا は文字がすべてつながって ویکیپدیا となってしまうはずなのです。もし文字がつながらないようにするには普通にスペースを入れて ویکی پدیا になるのですが、ここはそれほどスペースが空いていません。
ではなぜそこはスペースではNGなのかといえば、一番問題になりそうなのはこのスペースの前後で改行がされてしまったりする場合があるからでしょう。文字としては開いて見えても、ひと塊で扱い途中で改行されたりしてしまうわけにはいかない語句だからです。
ペルシャ語にこのような扱いをすべき語がいくつかあるようです。

そして、このようにスペースを開けずに文字を繋げないためには該当箇所に「制御文字ZWNJ」というコードを入れていく必要があります。ZWNJはZero width non-joinerの略のようです。以下は入力方法の一例、Windowsのメモ帳の画面上該当箇所で右クリック「ZWNJコード」を挿入。

Windowsメモ帳画面上から右クリック

Wordなどのアプリケーションでも該当箇所にこのZWNJコードを入れる方法はあり、近年は冒頭で紹介したような、スペースを入れずに文字を切り離す形の文書・ウェブサイトは多く見られるようになりました。しかし現在でも1スペースが入っている文書(あるいはスペースの前後で改行されてしまっている文書)、そしてこれは決して絶対NGではないようですが、スペースを入れずにそのまま文字を繋げる記述法をしたものも多く見受けられます。

アラビア語の辞書サイト

中東Linkではアラビア語への翻訳の場合ネイティブ翻訳者が翻訳を行っていますが、例え長年の経験のある翻訳でも辞書を参照することがあります。
もっとも経験のある訳者が主に使用する辞書は「英語=>アラビア語」というケースはほとんどなくいわゆる「アラビア語=>アラビア語」の辞書で、「過去に誰かが使った訳文に語彙的な不整合がないか」、「現在使っている訳語の使用方法に本当に誤りがないか」といったところを主に確認するイメージです。
こちらのアラーアラ辞書サイトなどはよく参照されているようです。


またIT関連の翻訳に当たっては、実際に現地のパソコン上でどういった用語になっているか、そしてその表現の用語に翻訳を準拠されることが重要になります。例えばWindowsPCの画面表示などであればこのマイクロソフトポータルのサイトがよく参照されています。

経験豊富なアラビア語ネイティブ翻訳者でも、辞書というのは必須アイテムのようです。

クルド語の話

昨今のイラクのクルディスタン地域(クルド人の居住地域)の自治化に伴い、お客様から「クルド語」への翻訳対応に関するご質問をいただくことが出てまいりました。

クルディスタンはおおよそトルコ・シリア・イラク・イランの4か国にまたがっている地域で、そこで話されている言語がクルド語ということになります。アラビア語の文字や欧文アルファベットを使って文字表記もされており、新聞等の印刷物も発行されているようです。

しかしクルド語と一口に言っても大きく分けて2種類の方言があり、文法なども含め両者の言語体系は大きく違っているということです。
Wikipediaさんの情報では「クルマンジー(北部クルド語、クルド語:Kurmancî ISO 639-3:krm)とソラニー(クルド語:Soranî,سۆرانی ISO 639-3:ckb)があり、前者は、イラククルディスタン北部、カフカース地域、トルコ東部、シリアで話され、イラクでは、「バフディニー」と呼ばれることもある。」ということです。
つまりお客様からクルド語への翻訳を打診された際には「クルマンジー」か「ソラニー」のいずれの方言でまた、「アラビア文字」か「欧文アルファベット表記」かを確認する必要があります。これらの確認漏れをしてしまうと、せっかく翻訳を納品しても実際に役に立たないものになってしまいます。

こちらのサイトにも英文ですが、クルド語についての情報が記載されています。

アラビア語数字の入力

翻訳やタイピングの際、アラビア語やペルシャ語特有の数字で入力しなければいけないことがあります。

東京外国語大学のアラビア語科のサイトで詳しく解説されています。

上記の方法でわかりにくい場合は、Windows Systemの時はこちらをお試し下さい。

コントロールパネルの「時計、言語、および地域」カテゴリーから以下の手順で進めてみてください。

もし初期設定でアラビア語の数字にしてしまうのであれば、以下のように指定してしまっても良いかもしれません。

このように数字の形状が混在した入力が可能です。

しかし上記で解説されている、Windows Systemやワードの「オプションの設定」をいじって数字を変える方法は、あくまでも同じ設定がされているPCでのみ有効なので、他のPCにデータを送った時は表示が普通の数字になってしまいます。ご注意下さい。
大変手間がかかりますが上記(東京外国語大学のアラビア語科のサイト)で紹介されている2番目の方法(「IMEパッドを利用する」、または「「記号と特殊文字」から入力する」)で入力するのが良いと思います。

参考までに当社中東Linkのスタッフは中東言語に特化した編集ソフトを使用することがほとんどですが、上記のように「文字コード表」から数字をコピーして使用する場合もあります。
翻訳業務において各言語特有の数字の問題は避けて通れません。中東Linkでは翻訳者も入力作業者も、お客様の希望に従いいずれの数字表記でも作業を行います。

アラビア語の語順について(9)

前回に引き続き文章がアラビア語に翻訳される際の語順に関する記事ですが、今回は最終回のとりまとめをします。
8回にわたって記載した語句を以下に一覧表にしておきます。

Japanese

English

Arabic

春夏秋冬 winter, spring, summer, fall

الصيف والشتاء والربيع والخريف

南北 north and south

الشمال والجنوب

需要と供給 supply and demand

العرض والطلب

左右 right and left اليمين واليسار
紳士淑女 ladies and gentlemen السيدات والسادة
貧富: rich and poor الغني والفقير
白黒 black and white الأبيض والأسود
東西南北 north, south, east and west الشرق والغرب والشمال والجنوب
飲食 eat and drink (food and drink)

كل واشرب

(طعام وشراب)

行き来 come and go

حضور وانصراف
Or
مجيء وذهاب
Or
يأتي ويذهب

前後 back and forth

للأمام والخلف
Or
التقديم والترجيع

新郎新婦 bride and groom العريس والعروس
売り買い buy and sell الشراء والبيع
あちこち here and there هنا وهناك
あれこれ this and that هذا وذاك
雌雄 male and female

الذكر والأنثى
Or
الذكور والإناث

新旧 old and new الجديد والقديم
遠近 near and far القريب والبعيد
寒暖 hot and cold

الحر والبرد
Or
البرد والحر

乾湿 wet and dry الرطب والجاف

– Same Word Sequences to Japanese

Japanese English Arabic
上下 up and down الأعلى والأسفل
男女 men and women الرجال والنساء
夫婦 husband and wife الزوج والزوجة
生死 life and death الحياة والموت
大小 large and small الكبير والصغير
早晩 sooner or later عاجلاً أو آجلاً
好き嫌い likes and dislikes يحب ويكره
増減 increase and decrease

يزيد وينقص
Or
الزيادة والنقصان

内外 inside and outside الداخل والخارج
手足 hands and feet الأيدي والأقدام
開閉 opening and closing الفتح والإغلاق

 

アラビア語の語順について(8)

前回に引き続き文章がアラビア語に翻訳される際の語順に関する記事の8回目です。
今回は「手足」と「好き嫌い」、「早晩」、「生死」、「乾湿」です。

手足:英語では「hands and feet」の順番ということですが、アラビア語でも
الأيدي والأقدام
右から読むので「手(アイディー)と足(アクダーム)」です。
「手足のケアクリームの宣伝サイトより」

好き嫌い:英語では「likes and dislikes」の順番ということですが、アラビア語でも
يحب ويكره
右から読むので「好き(ユヒッブ)と嫌い(ヤクラフ)」です。

早晩:英語では「sooner or later」の順番ということですが、アラビア語でも
عاجلاً أو آجلاً
右から読むので「早い(アージラン)か晩い(アージラン)か」です。日本語では「おそかれはやかれ」という表現もしますね。

生死:英語では「life and death」の順番ということですが、アラビア語でも
الحياة والموت
右から読むので「生(ハヤー)と死(マウト)」です。

乾湿:英語では「wet and dry」の順番ということですが、アラビア語でも
الرطب والجاف
右から読むので「湿(ルトゥーバ)と乾(ジャーフ)」です。

今回でひとまず語順について翻訳者に確認をした語句が全て紹介できました。
次回の記事に一覧表として掲載したいと思います。

アラビア語の語順について(7)

前回に引き続き文章がアラビア語に翻訳される際の語順に関する記事の7回目です。
今回は「需要と供給」と「貧富」、「飲食」、「売り買い」です。

需要と供給:英語では「supply and demand」の順番ということですが、アラビア語でも
العرض والطلب
右から読むので「供給(アルドゥ)と需要(タラブ)」です。

貧富:英語では「rich and poor」の順番ということですが、アラビア語でも
الغني والفقير
右から読むので「富(ガニー)と貧(ファキール)」です。

飲食:英語では「eat and drink (food and drink)」の順番ということですが、アラビア語でも
كل واشرب
または
طعام وشراب
右から読むので前者は「食べる(クル)と飲む(アシュラブ)」、後者は食べ物(タアーム)と飲み物(シュラーブ)」です。

売り買い:英語では「buy and sell」の順番ということですが、アラビア語ではどちらも使うようです。
الشراء والبيع
または
البيع والشراء
右から読むので前者は「買い(シラー)と売り(ビーウ)」です。

アラビア語の語順について(6)

前回に引き続き文章がアラビア語に翻訳される際の語順に関する記事の6回目です。
今回は「あちこち」と「あれこれ」、「行き来」、「開閉」です。

あちこち:英語では「here and there」の順番ということですが、アラビア語でも
هنا وهناك
右から読むので「こっち(フナー)とあっち(フナーカ)」です。同名のアニメがあるようです。

あれこれ:英語では「here and there」の順番ということですが、アラビア語でも
هذا وذاك
右から読むので「これ(ハーザー)とあれ(ザーカ)」です。

行き来(往来):英語では「come and go」の順番ということですが、アラビア語でも
حضور وانصراف
もしくは
مجيء وذهاب

右から読むので前者は「出席(フドゥール)と退出(インシラーク)」、後者「来ること(マジーウ)と行くこと(ザハーブ)」はです。

開閉:英語では「copening and closing」の順番ということですが、アラビア語でも
الفتح والإغلاق

右から読むので「開(ファタフ)と閉(イグラーク)」です。

アラビア語の語順について(5)

前回に引き続き文章がアラビア語に翻訳される際の語順に関する記事の5回目です。
今回は「新旧」と「遠近」、「寒暖」、「増減」、「内外」です。

新旧:英語では「old and new」の順番ということですが、アラビア語では
الجديد والقديم
右から読むので「新(ジャディード)と旧(カディーム)」です。

遠近:英語では「near and far」の順番ということですが、アラビア語でも
القريب والبعيد
右から読むので「近い(カリーブ)と遠い(バイード)」です。

寒暖:英語では「hot and cold」の順番ということですが、アラビア語では、どちらの語順も普通にありえるようです。

الحر والبرد
または
البرد والحر
右から読むので前者の場合「暖(ハッル)と寒(バルドゥ)」です。

増減:英語では「increase and decrease」の順番ということですが、アラビア語でも
الزيادة والنقصان
右から読むので「増(ジヤーダ)と減(ナクサーン)」です。

内外:英語では「inside and outside」の順番ということですが、アラビア語でも
الداخل والخارج
右から読むので「内(ダーキリ)と外(カーリジ)」です。